教習所で開いた「ためしてガッチャン大会」とは
忘年会シーズンを迎え、飲酒の機会が増えることから、宮崎県警都城署は10日、都城市都北町の警友自動車学校で、酒を飲んで車を運転し、危険性を体験するイベント「飲酒運転・ためしてガッチャン大会」を開いた。ビールや焼酎で酔った40人がハンドルを握ったところ、カーブを曲がるのが遅れたり、道路脇の縁石に乗り上げたりした。
都城署は2年前まで5年連続で飲酒運転の摘発者数が県内13署でトップ。昨年は2番目だったが、今年は43人(10月末現在)で最も多い。
身をもって飲酒運転の危険を知ってもらおうと、都城地区交通安全協会の会員ら66人に呼びかけ、ハンドルキーパーを除く40人が1時間半かけてビールや焼酎を飲み、酒に酔った状態で運転席に座った。
助手席には自動車学校の教官が乗り込み、5・5メートル間隔でコーン標識が立つスラロームコースやポールの幅が2メートルから10センチずつ短くなるコース、S字や直角に曲がるコースなどを走行。アルコールの影響でスピードを出し過ぎたり、ハンドル操作が遅れたりする車が相次ぎ、縁石に乗り上げるドライバーもいた。
今も毎日運転するという鷹尾自治公民館長の男性(71)は焼酎のお湯割り3杯を飲んで臨んだ。ふらふらしながら運転したという男性「夜間で道が暗いと危ない。飲酒運転で事故を起こしたら、相手に迷惑をかけ、一生かけて償うことになる。絶対にしたらいけないと住民に伝えたい」と誓っていた。
同署の黒瀬信太郎交通官は「飲酒によって判断は鈍くなる。この体験を周囲の人に話し、根絶につなげてもらいたい」と話していた。(阪東峻一)